和して同ぜず
和して同ぜず
和して同ぜず
職員はチームで仕事をする
和して同ぜず
和して同ぜず、は埼玉で長く勤めた法人の理事長 須田の言葉です。正確には、須田が誰かの結婚式の祝辞で述べた言葉です。その時は、中央アジアのどこかの国の格言と言ってました。福祉の仕事は一人ではできません。チームを組み、ローテーション勤務の中で、仕事をします。当然和は大切です。でも皆、同じ考えではありません。同じだとしたら、責任の放棄でしょう。きちんと議論する、そして皆の考えが一つの方向にまとまったら自分の意見は違ってもそれに従う、それが組織のあり方です。
須田は、赤字は出すな、赤字を出さなければ、あとは任せる、というトップでした。必死でした。入所しか知らない自分にとって、通所は初めてです。でもイメージはできていました。迷わず、就労移行支援を行いました。生活介護・B型の多機能です。障がいの重い人たちと接していると、本人たちの心の声を聞こうということが忘れられがちです。でも、就労移行に来る方々は自分の意思を持って、我々の支援を希望します。就労移行支援を任せた職員は頑張りました。就労移行に来たほとんどの方を就労に結びつけました。
その中に忘れられない女性の方がいます。母親が育児を放棄した方です。ほとんど喋ったことがないですから、本人の言葉を聞き取ることができませんでした。その彼女が、就労が決まり明日退所するという日に、パン屋に来ました。自分は、ほとんどパン屋にいますから知っていたのでしょう。本人はパン屋に来て、ホワイトボードにありがとう、と書いて帰って行きました。その彼女を、母親から離し、グループホームに結び付けたかったのですが、できませんでした。支援者は、障がい者の仕事をしているのでしょうか。障がいがあると言われる人たちの心の声を聞くことが大切と思います。
和して同ぜずから離れましたが、支援者の心がけなどという大きな題目を書いたら迷いがありました。いや、自分の経験を伝えることにも意味があるのではないかと思ったら、書けるようになりました。あくまでも個人的な考えです。もし、読んだ方がおりましたら、自分はこう考えるというきっかけにしてください。
