風の丘 高松市にある LIT  は爽やかな風を運ぶ それは障がい者が町中で生活するということ

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成人期は本人の世界を拡げる

思春期から成人期へ

成人期は本人の世界を拡げるは、永井先生の教えにヒントを得た言葉です。太田ステージでは、幼児期から思春期に向けて縦の発達を目的としていきます。ステージⅠ、Ⅱ、Ⅲ−1、Ⅲ−2と発達段階をステップアップしていくことを目指します。長年、成人期の方々を見ていると言語の発達段階が適応行動の世界を広げていくことを見てきました。やはり、言葉で説明できると本人の環境に対する理解が変わってきますので、それだけ適応できることも増えていきます。

発達には臨界期という言葉があります。ある時期に来るとさらに発達的な質的転換を目指すことには無理があるということです。それがいつなのか明確に言えるものではありません。ただし、思春期から成人期に差し掛かった時に、目指していくことは本人の発達段階、言い換えれば本人の理解に応じた伝え方をしていくということです。

前に述べましたが、育児放棄の中で育った彼女は言葉が発達しませんでした。それが知的障がいの為なのかというと、そうとも言い切れません。それは本人が筆談ができたからです。自分の思いをしっかりと伝えることができていたのです。そういう環境になかっただけです。そうすると、環境の重要性があります。この子は、分からないからと伝えることをしなければ、本当は分かるかもしれないことも伝えていないことになります。

発達の臨界期は実際に存在します。すると、その臨界期を境に周りが行なっていくことは、本人の世界を拡げていくことだと思います。実際に体験し、獲得していく本人の世界があるのです。それを周りの支援者は責任を持って支援していく、ことかと思います。永井先生は、このことを縦の発達から横の発達へとおっしゃっていました。

でも実際はどうでしょう。本人の経験する世界がどれだけ広がりがあるでしょうか。支援者は、常にこのことを意識する必要があると思います。

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